深作清次郎②

参議院、東京都、救国党、深作清次郎75歳。20歳より愛国運動、復員後反共運動に入り今日に至る。反ソ決死隊を名乗り、ソ連の北海道侵入を断固阻止せんとす。

では深作清次郎さんの政見放送です。

〽ああ満州の大平野 亜細亜大陸東より 始まる所黄海の 波打つ岸に端開き 蜿蜒北に三百里 東亜の文化進め行く 南満州鉄道の 守備の任負う我が部隊

諸君、諸君はこの満洲独立守備隊の歌をご存知か?あの満洲の荒野の中に横たえられた80年前の日露戦争の我が先祖の勇戦奮闘のその推移に横たえられた屍の、そのことをご存知か?諸君は今の日本人が、北から来るソ連の強圧の前に、あるいは北鮮や中共の恫喝の前に、何ら為すことも無く震え上がっている状態は何なんだ!これでも日本人なのか!

諸君、我が国がこの大和島根に国を作って以来3000年、700年前に元軍10万が博多湾に来た時にこれを粉砕したのは当時の九州男児鎌倉武士ではないか?

80年前のあの世界最強のロシアの陸軍を旅順に奉天に粉砕し、バルチック艦隊、旅順艦隊を玄界灘に沈めたのは我々日本人ではなかったのか?

諸君、40年前の負け戦の結果、日本人は7年間のアメリカの占領下とソ連スターリンの謀略により、彼らの代行する日本共産党日本社会党、それに創価学会、彼らまでがこの尻馬に乗ってこの万邦に卓越したところのこの大和民族ソ連に従属せしめようとしている。

しかも、40年間政権の座にあるところのこの自民党の体たらくは何なんだ?日本中の幼い子供たちがソ連の手先の日教組によって日本人の本質を失って、そして親に孝行も忘れ、国家社会に対するところの犠牲心も忘れて、手前勝手に暴走しているようなときにこれが自民党という天下の権を握った者が何をしているんだ。

諸君、これらは言うならば毎晩赤坂で芸者会をしている、それに熱中してこの天下を握って文部省の軍制を握ったはずの自民党が、日共やあるいは社会党日本教員組合、彼らによって手玉に取られているんだ。

諸君、こんなところへ今ソ連が、350台の戦車隊が、我が北方領土から北海道に侵入しようとしている。ウラジオストクからはSS20という広島の原爆の30倍の威力がある恐ろしい原爆ミサイルが日本列島に170本もこちらを向いている。

こんなときにいったい日本の政治はこれでよいのか。このままいったら日本は崩壊しますよ。

諸君、我々の先祖がこの3000年間の間にこの国土の自由と平和と繁栄を守らんがために万骨を枯らして日本を守ってきた。これがこの世紀において崩壊に瀕しているということは、我々大東亜戦争から生き残った一人の人間として、生き残りの兵隊としてこの戦争に捧げられた300万の英魂に対してもじっとしていられない。我々の生の限り命の限りを尽くしてこの日本に覆い被さってくるところの共産軍の日本支配という恐ろしい犯罪行為に対して断固として戦わなければならんと考えておる。

諸君、45年前は世界を敵にして日本は敗れた。いま世界を守るものはアメリカの原爆がある、英国のフランスのミサイルがある。西ドイツ、イタリアあらゆる自由を愛する国の軍事力がある。さらに、天の神、地の仏が日本を守ってる。

日本人は堂々とこの偉大なる3000年の歴史を基にして、日本を守るためにこの命を懸けて立ち上がったならば日本は必ず守りおおせるものである。

参議院、救国党、深作清次郎さんの政見放送でした。

深作清次郎①

1983年 参議院選挙(東京都選挙区)

東京都、日本国民政治連合、深作清次郎72歳。青年時代、憂国の情止み難く国竜会内田良平先生の門に入り昭和維新運動に挺身。目下、反ソ決死隊長として奔走中。それでは、深作清次郎さんの政見放送です。

親愛なる全日本の同朋諸君。諸君はいま日本に覆い被さってるところの大なる国難をご存知か?諸君、いま北海道の納沙布の彼方わずか40~に350台のソ連戦車が進撃の姿勢にある。更に言う、ウラジオ周辺のシベリアには百数十基のミサイル、これが日本の東京大阪を狙っている。諸君、このような国難に際して、日本人の現在の態度は何なんだ。ソ連が来たら降参すれば事足りる、そんな馬鹿なことがあっていいのか?

諸君、自ら守らざる者は滅ぶ、これは千古の金言である。いま日本は経済大国という虚名に酔いしれて、ソ連が来たら降参すればそれで事済むというそういう出鱈目な態度に陥っている。これは2000年前の~文明の極点にあったユダヤが、そうした神を畏れず国を愛さず、そのために遂に国が滅亡し全世界を放浪するような悲惨な民族になってしまったという。

諸君、今は去るところの78年前、我が大和民族はあの強大なるロシア帝国満州を犯し、鴨緑江を渡って朝鮮に侵入したときにこれ以上は我慢ならんと立ち上がったのが日露戦争ではないのか!諸君、愛国心と言えば日教組朝日新聞は嘲笑う。しかしながら、愛国心の無い民族がどうしてこの国を子孫に伝えることが出来るか!?国を愛することを忘れた大和民族、言うならば建国以来3000年、最も民族の堕落した時代が今である!!

諸君、誰が戦乱を好むものか?誰が好んで戦争で死ぬものか?それはお国の一大事であって、涙を呑んで妻を捨て親を捨て兄弟を捨てて、そして大陸戦線の野末の果てに、あるいは太平洋の底に消え去ったのだ。諸君、78年前の日露戦争、88年前の日清戦争大和民族が我々の幼子の為に万骨を枯らして日本の自由と人権と平和を守ったのだ。平和は命懸けで守んなきゃならん。高い高い代償を払わなければ平和は守れるものではないのだ!

諸君、ソ連が来たらソ連戦車を片っ端から納沙布の水際で踏みつぶせばよいのだ。日本を守るのにアメリカの軍事同盟がある。自由世界の原爆ミサイルがある。なんぞソ連の恫喝に恐れる必要があろうか。諸君、およそ人間にとって愛国心の尊さ、国のために死ぬことの尊さ、それを忘れている現在の1億2千万の日本人は既にもう独立国家を名乗る価値の無い哀れな民族である…諸君、ついこの間の日露戦争でに我々の親たちがどんなに悲しい思いをしてそして決然として国難に当たったか?

〽ここはお国を何百里 離れて遠く満洲の 赤い夕陽に照らされて 友は野末の石の下

愛国詩人西條八十はこういう詩を残している。

旅人よ手綱を止めて仰ぎ見よ 夕日の丘に黙々と聳え立てり大陸の 嗚呼忠霊塔

大君のために進みて身を挺す異郷のだん 微笑みて鬼と化したる丈夫はここに眠れり

この丘に野花を摘まば紅の血潮流れん この丘の朝日夕日に軍をさえ恐れとばずと

妻子を捨てて、お国の難に、大陸戦線にあるいは南方の海の果てに天皇陛下万歳を叫び、大和民族の栄を祈って死んでいったこの我々の先祖の偉大なる魂に対して、我々が今ぞ応えなければこの日本を守ることは到底不可能である!!

東京都、日本国民政治連合、深作清次郎さんの放送でした。

ひっそりと自・国・共激突の滋賀県議補選大津市選挙区

6月26日投開票の滋賀県知事選挙は自民・公明・国民民主・社民の支持を受ける現職vs共産系の新人の争いとなっている。

f:id:zhongdanhai:20180619205357p:plain

個人的に昨秋の衆院選でついに衆参6人完全制覇(野党候補の比例復活も阻止)を果たした自民県連が県内完全制覇を果たすべく非自民系の現職知事に対抗馬をぶつけてくるのを期待していたのだが、下手な候補を出して「2期目の現職」に負けるよりリスクの少ない相乗りを選択したようだ。

 

ところで、結果が見え見えでつまらない知事選はともかく、同日に投開票される県議補選が熱い戦いとなっていることをご存じだろうか?

この大津市で行われている滋賀県議会議員補欠選挙は欠員1に対して自民公認、無所属、共産公認の3人が立候補している。この枠は無所属で元びわ湖放送アナウンサーの蔦田恵子氏が2016年の大津市長選に立候補したことで生じたものである。以下に候補者を紹介していきたい。

 

国民民主県連船出の戦いは無所属で?

無所属の河合昭成氏は大津市議からの鞍替えで元東レ社員。知っての通り大津市石山駅前には東レの大きな工場があり、県議会のみならず大津市議会にも複数の組織内候補を送り込んでいる。元衆議院副議長で昨秋に引退した川端達夫氏も東レの組織内候補だった。河井氏は昨年の解散総選挙の際にUAゼンセン(東レ労組の上部団体)の会長から直々に川端後継としての滋賀1区からの立候補を求められ、固辞したという経緯がある。その結果滋賀1区では代わりに嘉田由紀子前知事が出馬して敗れ、川端氏の議席の継承に失敗した。おそらく次回の衆院選では河井氏が野党系の候補として滋賀1区から出馬することになるだろうが、今回の補選はその前哨戦となる訳だ。川端氏、嘉田氏に加えて国民民主県連、県議会会派のチームしが、UAゼンセンが総力を挙げてバックアップする中、立憲民主支持層にもアピールすべく無所属で挑むことになった。今回が県内初陣となる国民民主としてはどうなのかという気もするが、党勢低迷を跳ねのけることは出来るのだろうか?

 

擁立で揉めた自民、大岡衆院議員の指揮で勝利目指す

自民党公認桑野仁氏の擁立はギリギリまで議論があった。というのも前回県議選大津市選挙区での自民党の当選者は4人で、しかも1人は最下位当選。辞職した元アナウンサーの蔦田氏は保守系無所属だったとはいえ、もう一人出せば来年の県議選で調整に苦しむことになる。慎重論もあったものの大津市を地盤とする大岡敏孝衆院議員は不戦敗を許さなかった。大岡氏は甲賀市出身で元静岡県議と大津市には縁が無かったが、典型的なドブ板戦術で川端王国だった滋賀1区を塗り替え、前回総選挙では圧倒的知名度を誇る嘉田前知事を落選に追い込んだ。同選挙では市内の比例票で5万2千票を稼いだだけあって今回も勝って当然とも言えるが、”本番”である来年の県議選のことが頭をよぎる県議や市議らは手足となって動いてくれるだろうか?

 

3年前の悔しさ晴らすべく…共産

共産党黄野瀬明子氏を擁立した。氏は前回県議選で次点で落選しており、その得票は7480票。最下位当選の自民公認の候補が7709票だっただけに300票弱で涙を呑む結果となった。ちなみに同選挙の大津市選挙区では節木三千代氏が10744票で3位当選を果たしており、票割りの失敗が悔やまれる。今回の補選では県知事選との連動や立憲民主支持層への呼びかけなど総力を尽くして「もう1議席」を狙うことになる。

 

まとめ

いかんせん地味な補欠選挙ということで各種メディアもあまり注目していないが、この選挙のカギは自民党の組織が全力で選挙に挑めるかということに尽きるのではないか。桑野氏の地元は市北部で現職の佐野高典県議と地盤が被っている。先に述べたが来年の県議選でも自民の4議席は決して安泰とは言い難い。もし桑野氏が県議会議員はこの1期だけで来年の本選には出馬しないとしているのなら別だが、そうでなければ当選してしまった後のことが気になる支援者も多く居るだろう。2006年の国松×嘉田の県知事選は新幹線新駅問題を巡る自民県連の分裂とサボタージュが結果を決めた。あの失敗がまた起きるとすれば…野党系候補にもチャンスはあるだろう。

紀伊山脈奥地、水上の楼閣―旧摺子発電所(七色ダム)

2月某日、今回の巡行はいきなり湖上から始まる。

f:id:zhongdanhai:20180425231529j:plain

奈良県上北山村七色ダムの水上、小雨が降り注ぐ小型ボートの上で撮った写真が旅の記録の最初となっている。ここから向かうのは到達難易度が高い大物廃墟である。

f:id:zhongdanhai:20180425231755j:plain

慣れないボートの操縦に四苦八苦すること十数分、見えてきた白い建物は旧摺子発電所。昭和4~6年の建築で、1965年にダム湖に水没すると同時にその使命を終えた発電所である。

f:id:zhongdanhai:20180425231936j:plain

先ほどの地点からさらに数十分。何度もエンジンが停止するトラブルに悩まされながらようやくたどり着いた。深緑の湖面が白い建物によく映える。

f:id:zhongdanhai:20180425232345j:plain

側面からの光景。水没部があるので何階あるのかは分からない。湖面に2層の建築が浮いているかのようだ。

f:id:zhongdanhai:20180425232639j:plain

屋内に潜入。天井の白さ、湖面の緑、柱の黒、3色の世界がそこにある。

f:id:zhongdanhai:20180425233305j:plain

この間もボートの漕艇は困難を極め、勢いづいて壁に激突しそうになっては反転を繰り返しながらなんとかフレームに収めた写真がこれらである。

f:id:zhongdanhai:20180425233450j:plain

f:id:zhongdanhai:20180425233656j:plain

ようやく接岸してボートを降り、内部に侵入することに。

f:id:zhongdanhai:20180425233819j:plain

逆からのフレーム。この階段を上ると…

f:id:zhongdanhai:20180425233917j:plain

またがらんどうの白い空間が広がっていた。遺留物は全く見当たらない(廃墟化から50年経っているので当然である)

f:id:zhongdanhai:20180425234509j:plain

発電所廃墟名物フジツボっぽい形状の陶器の部品(名称失念)

f:id:zhongdanhai:20180425234627j:plain

f:id:zhongdanhai:20180425234652j:plain

f:id:zhongdanhai:20180425234723j:plain

時間もさほどないので切り上げて二階へ向かう。

f:id:zhongdanhai:20180425234035j:plain

あそこに二階への階段があるが水没していてそのまま向かうのは不可能だ。(当方気さくなスニーカーのおっさん)やむなくボートで外に大回りして外壁からの侵入を狙う。

f:id:zhongdanhai:20180425234234j:plain

下に見えるのが接岸したボート。ここは本当に何度も折り返しを繰り返して苦労しながら接岸したので写真を撮っている余裕は全く無かったので画像は割愛する。

f:id:zhongdanhai:20180425234929j:plain

二階の小部屋は侵入者によって燃やされた形跡が生々しい。落書きも残されておりここだけ異質な雰囲気を放っていた。

f:id:zhongdanhai:20180425235048j:plain

二階から見る半水没部の屋内は想像以上に美しかった。

f:id:zhongdanhai:20180425235218j:plain

反対側からの景色。天気が良ければ光射す濃緑の水面がなお美しかったと思われるだけに天候が恨めしい。

f:id:zhongdanhai:20180425235410j:plain

なかなか冒険心を探られる良質な物件だった。名残り惜しいが疲労がピークに達する前に撤退しないと帰りのボート操縦が持たない。

建築時はこの揚水発電所が管流しを妨げると地元で軋轢を生んだという。そうした経緯を持つこの発電所がかつてここに人が住んでいた証としてその姿を残しているのは皮肉なものである。この廃墟はおそらくわざわざ取り壊されることは無いだろう。紀伊山脈の奥地のさらにダムの奥という秘境中の秘境にかつて人の営みがあったことを伝える墓標として摺子発電所はあり続けていくのだろう。

 

よそ者が書いて馬鹿が読む「滋賀県は近江鉄道の影響で西武ファンが多い」説

f:id:zhongdanhai:20170731020949j:plain

表題の言説の発端は、Jタウンというサイトが2014年と2017年7月に実施したアンケートとその推察として同サイトが出したコラムにある。この信憑性が微妙なものが出回り、Twitterなど一部で「滋賀県近江鉄道の影響で西武ファンが多い」という嘘豆知識が出回りつつある。

j-town.net

j-town.net

この言説は「①滋賀県は西武ファンが一番多く」、「②それは西武鉄道子会社である近江鉄道の影響である」という2段階の論理で成り立っている。

私個人の経験では親類縁者友人近所のおっさんに至るまで記憶を辿っても西武ファンが居た記憶が無く、①の段階で破綻しているのではないかとかなり疑っている。

 

そもそも地方私鉄の親会社が野球ファンに影響を与え得るのか

色々考えていくとここがまず怪しい。自家用車による生活が普及した地方で地方私鉄のさらにその親会社が日常的に意識されるだろうか?阪神電鉄西武鉄道のようなインターアーバンであれば沿線で暮らす住民は通勤通学買い物など、生活のあらゆる場面で鉄道の存在を意識せざるを得ない。いつも使う駅から球場へ行く電車が発着していたり、球団のロゴや選手がラッピングされた電車で都心へ出向くことがあればそれをきっかけに球団の勝敗や選手に関心を持つこともあるかもしれない。しかし、近江鉄道に乗っても西武ドームに行くことは出来ないし、何なら京セラドームに行こうとする奴もやってくる。

※参考*1

近江鉄道の影響」について

周知のように近江鉄道西武グループの100%子会社である。同社の事業はバス、レジャー事業など多岐に渡り、滋賀県民にとって馴染みが深い会社の一つと言える。

さて、その近江鉄道の路線だが、米原(県内唯一の新幹線駅)~彦根(県下第3の都市)~八日市~貴生川を結ぶ本線八日市近江八幡を結ぶ八日市線多賀大社への参詣路線である多賀線の3路線を有し、湖東地域を縦断している。ここで注目したいのが県庁所在地である大津市それに次ぐ第2の都市の草津市など、人口が集中する湖南地域には路線が全く存在しないということである。

さらに近江鉄道線はJR線と並走する区間が多い。大津・草津方面から鉄道を使用して移動すると、近江鉄道に乗らないと行けない地域は旧八日市市東近江市の中心部)など一部に限られる。その当の大津市民や草津市民がわざわざ八日市に向かう流動もあまりない。また、近江鉄道線全体の経営は芳しくなく、社として将来的な廃止の可能性にまで言及している。

残念な話ではあるが、近江鉄道に乗る機会の無い県民の方が多いと言わざるを得ない。

f:id:zhongdanhai:20170810013317p:plain

滋賀県民のプロ野球ファン層

滋賀県民のプロ野球ファン層であるがこれは確実なことは言えない。ただ、県下は関西広域放送圏に属しており、テレビでは在阪局の阪神タイガースの応援報道や試合中継などの洗脳が日夜行われている。これを聞くと阪神ファンが多いのかと思いがちだが、そう単純ではない。

新聞においては、滋賀県には地元紙が存在しないことから、大手紙+京都新聞中日新聞がシェアを争っている。大手紙と京都新聞阪神タイガースに寄った報道をする中、中日新聞中日ドラゴンズを重点的に報道する姿勢を崩していない。湖北の名古屋志向の県民や中日新聞を購読している人々の中にはかなりの数のドラゴンズファンが居ることが推察できる。

県下の小売店では琵琶湖ネックレスチェーン構想を掲げ、覇を唱えた平和堂が有名だが、あの店は中日が優勝すれば中日応援セール、阪神が優勝した年は阪神応援セールを行うという節操の無いことをやっていた記憶がある。大津には西武大津ショッピングセンターがあるがここは西武のセールをやっていたし、近鉄百貨店草津店の応援セールは巨人だった*2。自分から挙げておいてなんだが、まったく当てにならない指標であることが分かる。

怪説がまかり通った理由について

Jタウンの人気投票の滋賀県1位が西武になった理由は、これも正確には分からない。2014年の調査では一目見て首を傾げる結果が他県でも見られるので単純に投票総数が少なかったことで偏った結果が出たのかもしれない。Jタウンというサイトを見ている年齢層が40~50代に偏っていれば西武黄金期を少年期に見た世代だけに結果が偏る可能性もあるだろう。また、票が割れたという可能性もある。この調査結果は2位以下の内訳を明らかにしていない。極端な話、阪神、中日、巨人、西武で4分に票が割れて26パーセントで西武1位の結果が出ている可能性もある*3

ともかくもこの説は多くの人に信じられた訳である。おそらく遠方では「東海か関西か分からない」「岐阜とどっちが東?」などと言われている滋賀県の存在感の薄さと、「西武の子会社なら影響力ありそう」という近江鉄道への雑なイメージが合わさって真実味を持った悲しい結果だろう。

滋賀県民各位

他人に「滋賀県近江鉄道があるから西武ファンが多いらしいね」と言われたら「西武ファンそんなにおらんし、近江鉄道そんなに影響力無いで」と否定しておきましょう。さもないと「滋賀県民は京都人・大阪人に怒ると『水止めるで』と言うらしい」というさっぶい作り話と同じ末路を辿ることになります。

*1:

f:id:zhongdanhai:20170810032950j:plain

*2:大阪近鉄バファローズの消滅以降、近鉄百貨店は読売ジャイアンツと提携しているらしい

*3:小選挙区の問題点ですね

伊吹山麗の正の遺産、負の遺産 ― 住友大阪セメント 旧伊吹工場

関ヶ原米原の中間の山合に旧伊吹町という町があった。

奥伊吹、伊吹山と良雪に恵まれたスキー場の名前は関西では知られているが、そんなスキーで栄えた人口5000の町が合併で米原市となったのは2005年。そのかつての町役場の付近に工場があった。

f:id:zhongdanhai:20180208164111j:plain

住友大阪セメント伊吹工場が閉鎖されたのは合併の2年前の2003年。東海道線から敷かれた専用線を模したホームが近くに設置されていた。

f:id:zhongdanhai:20180208164058j:plain

20センチ弱ある積雪をかき分けて近くに行ってみたが、それらしき形が見えていた。

f:id:zhongdanhai:20180208164053j:plain

ホームにあった説明板はあまり関係ない内容で落胆した。よく見ると往時の写真が小さく掲載されている。

f:id:zhongdanhai:20180208164045j:plain

線路の延長線上を北に向かうと、工場の正門が見えてくる。鉄道線を引き込んでいた様子が伺えないので貨物輸送は閉鎖の随分前に無くなっていたのだろうか。

f:id:zhongdanhai:20180208164242j:plain

近寄るとセコムの赤いシールが目を光らせていた。侵入は難しそうだ。

f:id:zhongdanhai:20180208164235j:plain

巨大な煙突が遠くからこちらを見ている。

f:id:zhongdanhai:20180208164229j:plain

周囲の道を進む。

f:id:zhongdanhai:20180208164412j:plain

左折して工場の真ん中を突っ切れる道を発見。

f:id:zhongdanhai:20180208164352j:plain

 雪の中こんな道を歩く物好きが他にも居るなと思いながら進んでいくと…

f:id:zhongdanhai:20180208164406j:plain

巨大建造物が見えてきた。福島第一原発のようで荘厳だ。

f:id:zhongdanhai:20180208164359j:plain

(撮影地:チェルノブイリ)とキャプションを付けたら騙される人が居そうだ。

f:id:zhongdanhai:20180208165513j:plain

先ほどの煙突が右に映っている。

f:id:zhongdanhai:20180208165502j:plain

中に入りたいな…f:id:zhongdanhai:20180208165536j:plain

この煙突は本当に大きい。閉鎖から15年が経とうとしているが、まだ倒壊の心配は無さそうだ

f:id:zhongdanhai:20180208164419j:plain

通用門に辿り着いた。

f:id:zhongdanhai:20180208170224j:plain

まあこの積雪では侵入したら足跡で丸わかりだから警備が無くても無理ということぐらいは分かる。ちなみに工場内は一切除雪されていないので40~50センチはあろうかという積雪だった。

f:id:zhongdanhai:20180208170240j:plain

メタセコイアっぽい並木がシベリアのような雰囲気を醸し出している。

f:id:zhongdanhai:20180208170252j:plain

住友大阪セメントと言えば以前行った多賀鉱山も同社の所有だったが、伊吹山系でのセメント採掘事業は既に終了しており、この地域全体から撤退している。

f:id:zhongdanhai:20180208170300j:plain

この土地も他社に渡っているが、土壌汚染が深刻で跡地利用もままならない状況で結果的に放置という形になっているらしい。

f:id:zhongdanhai:20180208170216j:plain

 公開すればマニアやコスプレイヤーの撮影などの需要もあろうに…と思いながら立ち去る夕暮れだった。

関連記事

zhongdanhai.hatenablog.com

少女終末旅行に終末は来ない(アニメ感想)

少女終末旅行というアニメーションが終わった。昨今のアニメはメディアミックス展開が当たり前となり、原作が完結していない作品を映像化する例が多い。少女終末旅行は「完結していない作品の終わり方」としてベストに近いものを見せてくれた。なお、私は原作未読組なので以下に登場する「この作品」という語は断りが無い限り今期に放送された12話までのアニメを指す。

「終わるまでは終わらないよ」の世界観

「終わるまでは終わらないよ」、ed冒頭で毎回流されるこの印象的なセリフがこの作品の世界観を支えている。滅んだ文明、殆どが死んでいるインフラ、散乱する兵器と戦いの傷跡、終末そのものである作品世界は1話から最終話に至るまで何の説明もなされない。主人公のチトとユーリが移動を続ける目的さえも明らかにはされない。こうした舞台設定に興味を抱き、真相を知りたがっていた視聴者は拍子抜けし、物足りないものを感じているに違いない。

しかし、説明がされないのは制作側の都合でも怠慢でもない。チトやユーリにとってこの「終わった世界」のすべてが自明のものであるからだ。世代間の情報格差デジタルネイティブ世代が取り沙汰される昨今であるが、あえてそれに近い情報の距離が視聴者と登場人物の間に設けられている。そしてその距離がバランサーとなって終末の世界に日常を生み出すことを可能にしている*1。自明である終末の世界の上に立つ日常であるからこそ、その日々に終わりはなく、終わらない。「終わるまでは終わらないよ」はこうして機能している。

 

終わらせない意味、終わらない理由

「ラストシーンの続き」は古今東西で物語を描く・観るにあたって必ず考えられてきた。歴史上で英雄的な活躍を遂げ、天寿を全うした人物の最期が醜く、みっともなかった例は多々ある。逆に全盛期に悲劇的な死を遂げた人物には世間の人気が集まり、物語になる。創作上でもヒーローは勝利の後どこかに去っていくか悲劇的な死を迎えるのが定石と言ってよいだろう。

少女終末旅行は人類が滅亡という敗北を迎え、人々がささやかな日常を失った*2というバッドエンドのルートではあるが「ラストシーンの続き」を描いている。現実の世界、人生を考えてみれば分かるが、致命的な出来事が発生しても世界、人生はそう簡単には終わってくれない。致命的なカタストロフィを迎えても苦しくとも辛くとも死ぬまで日常は続いていく。

決定的なカタストロフィの後の世界を描く作品に「セカンドインパクト」の新世紀エヴァンゲリオンがあるが、新世紀エヴァンゲリオンサードインパクトという本当の終わりを迎え、作品を終結させている。しかし同様に文明の崩壊後の世界を舞台に物語が進行していく少女終末旅行にはそうした本当の終わりは設定されていない。「いや、まだ原作未完だからアニメで描かれていないだけだろ」というツッコミもあるかもしれないが私はラストシーンのセリフから今後も描かれることは無いと考えている。

ユーリ「そうだ!チーちゃん、一番上に行ったらさ、そしたらその次は月に行こうよ!」

チト「月?」

ユーリ「行こうって言ったのチーちゃんじゃん」

チト「そうだっけ?でも月か。それもいいか。」

 どちらかが本当に死ぬまで終わらない(終わるまで終わらない)のが少女終末旅行の新規性であり魅力なのだ。

印象的なシーン

「ねえユー、人はなぜ生きるんだろうね」と尋ねたチトに対し、

f:id:zhongdanhai:20180101153659p:plain

一呼吸置いてユーリはチトを殴る

f:id:zhongdanhai:20180101153944p:plain

進路がズレて崖に突っ込もうとするケッテンクラート

f:id:zhongdanhai:20180101153549p:plain

チトは慌てて進路を戻す

f:id:zhongdanhai:20180101154102p:plain

崖に落ちそうなのにユーリがまったくのノーリアクション(しかも自分のせいで落ちそうなのに)なのがチトの運転を無条件に信頼しているユーリという関係性で好き♡

ここでユーリの肝の太さを見せることで5話の壁に激突しそうなシーン(居眠り運転、この事故未遂を受けてやむなく休憩する)の緊急性が際立つのも良い。

*1:現実的に考えれば少女2人がインフラの死んだ世界で生きていくのはあり得ないし、そのようなフィクションは視聴者の感覚が許さないだろう

*2:12話Aパートでささやかな日常がカメラに記録されていたという形で丁寧に描かれている