明るい現役廃墟商店街ーJR四日市駅前 三和商店街

石油コンビナートや四大公害病四日市ぜんそくでその名を知られる三重県四日市市県都津市を凌ぐ三重県下最大の都市であり、国際港湾でもあるその街の一角に戦後がある。

 

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JR線の中心駅であるJR四日市駅の外観。JRの中心駅と言うと賑わいがありそうなものだが、三重県近鉄王国。数百メートル離れた近鉄四日市駅周辺が繁華街となっているため、JR四日市駅は巨大な駅舎と比べて周囲の活気はまったく無い。

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内部も閑散としている。(券売機左横のJRの旅行代理店が潰れている)

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そんな状況だから当然キヨスクは無いが、ホットスナック自販機がある(昔のサービスエリアか?)。完全に過去の遺物のように思えるが新商品を投入している、根強いファンが居るのか?

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駅前は人口30万の都市にしては広すぎる一直線の大通りが伸びており、活気の無さも相まって昭和というより共産圏の首都のような趣。たぶん岐阜駅前の黄金の信長像を持ってくればもっとそれっぽくなる。

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そんな残念な状況の駅から徒歩2分という好立地にあるのが三和商店街である。

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駅チカ徒歩2分でこのインパクト。この倒壊が進む廃墟ながら営業する店が残る現役商店街廃墟という奇妙な物件が今回のメインである。(右手の喫茶店兼バーは現役)

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虚しく残る「明るい商店街」の文字。逆に入りづらい。

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2メートルも無い狭い路地を分け入ると異世界が広がっていた。正面の居酒屋「晴」と右手の提灯が掛かった居酒屋は現役だった。

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「力」

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インターネットの断片的な情報によると、この商店街は戦後のバラックの名残りらしい。

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近鉄とJRの四日市駅が離れた場所にあると先に述べたが、かつては隣接していた。1958年に近鉄が線形改良のために駅を現在の場所に移すまでは、この商店街の脇に線路があったらしい。線路脇の飲み屋街のバラックの生き残りということだろうか。

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山奥の鍾乳洞でももうちょっと明るいぞ!と言いたくなる。

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と、ここで営業中の店からオバチャンが出て来て「わっ!びっくりした!!」と驚かれた。

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こちらもまともな客では無いのでとっさに「すいません」と謝ったが、(従業員が店の前に人が居てびっくりするなよ…)と思い直す。

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こちら側は明るい(屋根が崩壊しているので)。

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「忍」

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店舗が営業中かどうかは店の入り口に貼ってある食品衛生協会の認証シールで判断している。毎年更新されているので営業中であれば平成29年のシールが貼られている。廃業した店は平成10年代前半か昭和60年代で更新が止まっている。昭和60年頃が最盛期だったのだろうか?

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「優」(一文字が流行ってたのか?)

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もう原型が無い。狭い路地なので撤去も難しいのだろう。

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「居酒屋」「お客様の健康を守る******設置の店」「危険」「頭上注意」「いらっしゃいませ」

展開される高度な情報戦。お客様の健康より安全を守ってほしいものだ。

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補強がなされているのか単なる棚なのか果たして…まあ店先に棚を設ける訳が無いが、だとすると誰がカゴやら木片を置いているのか謎である。(写真右のスナックアマンは現役)

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これが一番衝撃だった。150センチも無い高さに鉄骨の足場が組まれて「頭上注意」の注意書きがくぐれと命じている。暖簾をくぐる店を数多あれど「頭上注意」をくぐる商店街は間違いなくここだけだろう。

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ここをくぐって帰る酔っ払いの安全が心配だ。

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外から見た様子はこのようになっている。外側から建物内部に入れる構造になっていないようだ。

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写真を撮りながらぐるっと回って約30分弱。かなりコンパクトながら濃厚でお得感がある物件だった。戦後の名残りとも言える狭小商店街が70年近く生き残ってきたのは奇跡に近い。しかし防災が叫ばれる今のご時勢でこの脆弱すぎる一角がどれだけ寿命を長らえられるかは定かではない。内部の店がまだ営業中の間に訪れておくことをおすすめする。(営業中であることが確認できた店は路地内部に4軒、外周に3軒、業種は居酒屋、バー、スナック、洋食屋だった)

 

商店街の今後に思いを馳せながら駅のホットスナック自販機で唐揚げを買い、帰路に着いた。